長崎市は、本日原爆被災21周年を迎えた。
午前11時2分、全市民は瞬時にして尊い生命を絶たれた無こ十万の、在天のみ霊に、敬虔な祈りを捧げた。
原爆の惨禍にさいなまれ、身をもってその恐怖、悲惨さを体験したわれら長崎市民は、世界の恒久平和を念願し、常にその実現を訴え続けて来た。
しかるに、民族相克、流血の惨事は絶えることなく繰り返され、あまつさえ原水爆所持国は、その大量保有と威力実験を競い、偸(とう)安をさえ許さず常に人類の平穏と平和の確立を著しく妨げている。
われらは、世界の人々がひとしく幸福を享有するの権利を尊重するが故に、この地上に、真の平和な社会の実現が、速やかに達成されることを強く希求してやまない。
われらは、また、絶えずその具現に努力を重ねることを誓う。
8月9日
長崎市長 田川 務 |