昭和20年8月9日午前11時2分、この地上空に炸裂した原子爆弾は瞬時にしてわが長崎を瓦礫焦土、阿鼻叫喚の巷と化し、数多くの市民を殺傷した。
爾来十有八年、わが長崎市民は、平和の使徒として、自ら起って、この惨禍が再び地上に繰り返されないよう、全世界に訴え、世界恒久平和の実現を祈念し続けて来た。
巡り来たこの日、この時、思い出も新たに、ここに無辜十万死没者のみ霊を祀り、その冥福を祈るとともに、人類の英知が宇宙開発をも着々と進めつつある今日、この英知と勇気と決断が、平和社会建設のためにのみ払われることを強く世界に訴えるものである。
原爆の悲惨を身をもって体験したわが長崎市民は、更に決意を新たにして世界恒久平和達成のため、苦難を乗り越えて前進し続けることをみ霊に誓い、これを世界に宣言する。
8月9日
長崎市長 田川 務 |