私たち長崎市民は私達が身をもって体験した原爆の惨苦を、二度と再び地上の人類に繰り返させてはならない。
8年の間平和祈念日を迎えるたびに私達は地球上のありとあらゆる地域に住む人々にたいし、人類愛の尊さと、人の和の偉大さを強く訴え、かつ又市民としての日常の営みの上にそれを実践してきた。
惟うに人間個々をつなぐ愛の芽生えなくては家庭、社会はもとより、国家世界の総ての融和は達せられるものではない。
人間の善意と慣用と一人一人をつなぐ愛こそが一切の平和の基礎をなすものであることを固く信ずる。
私たち長崎市民は、本日の記念日にあたり、平和を愛する諸国民の公正と信義に依頼する覚悟を新たにし、全世界に正義と秩序とを基調とする永遠の平和が実現 することを念願してこれからの市民生活の営みの上に一つ一つその実を積んでいくことを七万有余の精霊の前に誓うものである。
8月9日
長崎市長 田川 務 |