われら日本民族は過去半世紀帝国主義的侵略を行い武力をもってアジアの隣国を侵してきたのであるが、近代兵器の最高峰、原子爆弾によって戦争は終止符をうたれたのであった。われら長崎市民は広島の同胞と共に、日本の犠牲となり、世界の試験台となったのである。
嗚呼、恐ろしい想い出の日が六度巡ってきた。8月9日午前11時2分、原子爆弾の一瞬によってわれわれの親兄弟妻子の尊い血潮がこの長崎の地を紅に染め上げた。
この尊い体験、あまりにも高価な犠牲の体験から今やわれわれは大胆素直に戦争絶対反対を叫び、平和日本憲法を守り、原子力を平和の手にする猛運動を巻き起こし、人類の平和維持のために闘はんとするものである。
平和はあくまでも平和的手段によってのみ生れ出る。
この故われわれは相対立する国家群をはじめ、何れの国々とも友好関係を促進し、一方的講和条約をしりぞけすべての交戦国と等しく和解の講和を締結し、恒久平和を推進していかねばならない。
原爆の地長崎より平和を絶叫するわれわれの雄叫びは必ず大きな流れとなり日本のみならず世界各国のすみずみまで流れほとばしるであろう。
ここにわれわれは再びあのいまわしい8月9日の惨状を再現させないために平和を祈念するあらゆる民主的諸団体ならびに宗教諸団体が相提携し、世人の良心に 訴え世論をかん起し、固い団結をもって25万市民が打って一丸となり、平和運動を推進し全人類の繁栄のために闘うことを宣言するものである。
8月9日
平和推進市民大会 |