1945年8月9日午前11時2分。
8月の暑い日差しがふりそそぐ中、ここ長崎の地に人類史上2発目の原子爆弾が投下されました。この、たった1発の原子爆弾で、7万4千人もの人々が亡くなり、7万5千人が傷つきました。被爆した多くの方々は、今なお、原爆の後遺症で苦しみ、戦争の記憶は決して癒えない傷となって人々の心に残っています。なぜ、何の罪もない人々が大切な命を奪われなければならなかったのでしょうか。戦争とは、人間から理性を奪い、命の尊厳を奪うものでしかありません。
日本は今、戦争はしていませんが、秋葉原の無差別殺人事件、関係のない人たちを巻き込んだ放火事件、いじめによる自殺など、毎日どこかで心の痛む事件が起こっています。現代社会に生きる私たちは、大切な命をあまりに軽く思っているのではないでしょうか。私たちの周りで、人の心を傷つける言葉が簡単に使われていませんか。
大切な命、尊い命を守るために私たちにできること、それは「行動」することです。何かしなければ、何も変わらない。一人一人の力は大河のひとしずくのように小さくても、集まれば大きなうねりとなり、行動し続ければ岩をも動かすことを私たちは知っています。長崎では、被爆した方々が語り部として自らの体験を語り、小学生、中学生は平和学習に取りくみ、高校生たちは核兵器廃絶の声を世界中に届けています。また、世界には核兵器や武力を持たずに何十年も平和を維持している国が存在していることを私たちは学びました。これからも、もっともっと真実を知り、平和を求めて世界中の人々と手を結び合っていくことが大事だと思います。
私たちは、ここ長崎から、平和を希求し、戦争はなくせるという希望を持って、一歩一歩取り組んでいくことを宣言します。 |