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アメリカ合衆国臨界前核実験への抗議
抗議文
2004.05.26

アメリカ合衆国大統領
ジョージ・W・ブッシュ 閣下
長崎市長 伊藤一長

 本日、貴国がネバダ核実験場において、21回目の臨界前核実験を実施したとの情報に接しました。被爆都市長崎からの、再三にわたる中止要請と抗議を無視し、貴国が臨界前核実験を強行したことに対し、長崎市民を代表してここに厳重に抗議します。
 先日、ニューヨークで開かれたNPT再検討会議準備委員会では、核兵器の拡散が現実のものになっているにもかかわらず、核保有国と非核保有国の対立により、実質的な成果をあげることができず、来年のNPT再検討会議の議題すら決められませんでした。国際社会における核軍縮の停滞に世界の人々が不安を抱いています。このような状況の中で、貴国の臨界前核実験を繰り返す姿勢は、その不安を助長するとともに、他の国による新たな核兵器開発の口実さえ与えかねません。
 また、貴国が核実験の再開や新たな小型核兵器の開発も辞さない姿勢を示していることは、2000年のNPT再検討会議で認めた「核兵器廃絶の明確な約束」を反故にするもので、世界の誰からも支持されるものではありません。
 貴国は、核兵器廃絶を求める世界の人々の声に耳を傾け、直ちに核兵器の保有と開発につながるあらゆる核実験を中止し、一日も早い包括的核実験禁止条約(CTBT)の発効に努力するとともに、核兵器の廃絶に向けて指導的役割を果たされるよう強く求めます。

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