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アメリカ合衆国臨界前核実験への抗議
抗議文
2002.02.15
アメリカ合衆国大統領
ジョージ・W・ブッシュ 閣下
長崎市長 伊藤一長
本日、貴国が英国と共同でネバダの核実験場において臨界前核実験を実施したとの報道に接しました。
貴国が、核兵器の廃絶と世界平和を願う世界の人々の度重なる抗議の声を無視して、新たな核兵器開発につながる臨界前核実験を強行したことに対して、原爆被爆都市の市民を代表して、怒りを持って抗議します。
今回の英国との共同核実験により、1991年11月以降、10年以上にわたり一切の核実験を停止し、1998年4月CTBT(包括的核実験禁止条約)を批准した英国が貴国、ロシアに続いて新たな臨界前核実験国になりました。このことは、CTBTの早期発効に向け努力を続けている国際社会の潮流に逆行する暴挙と言わざるを得ません。また、貴国が16回も臨界前核実験を実施していることは、他の核保有国の臨界前核実験を誘発し、ひいては際限のない核軍拡競争の再来を招く恐れがあります。
平和の祭典である冬季オリンピックが貴国ソルトレーク市で開催され、しかも貴台の訪日を前にしたこの時期に、英国と共同で核実験を強行したことに、核兵器の惨禍を身をもって体験した長崎市民は大きな衝撃を受け、失望感を覚えています。
国際社会が核実験の禁止と一日も早い核兵器の廃絶に努力している現実を重く受け止め、貴国は、今後あらゆる核実験を中止し、CTBTの批准とその早期発効に努力し、世界の大国として核兵器廃絶に向け主導的役割を果たされるよう重ねて強く求めます。
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