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アメリカ合衆国臨界前核実験への抗議
抗議文
2002.08.30
アメリカ合衆国大統領
ジョージ・W・ブッシュ 閣下
長崎市長 伊藤一長
本日、貴国がネバダ核実験場において、18回目の臨界前核実験を実施したとの情報に接しました。再三にわたる中止要請と抗議にも関わらず、貴国が臨界前核実験を強行したことに対し、被爆都市長崎の市民を代表して、ここに厳重に抗議します。
臨界前核実験によって核兵器を保有し続けようとする貴国の姿勢は、核兵器廃絶への大きな一歩であるCTBTの発効を危うくするものであり、核軍縮のために懸命の努力を続けている国際社会の流れに逆行するものです。
また、貴国はミサイル防衛計画を強行に推進しながら、包括的核実験禁止条約の死文化を図り、さらには1989年以来中止していたプルトニウムピットの製造を再開しようとするとともに、新世代の小型核兵器開発の計画や核兵器による先制攻撃の可能性を表明しています。このような一連の動きは、一定の核兵器を保有することによって、将来にわたり核抑止政策を堅持しようとする貴国の意思を明確に表しています。
その一環として、核爆発実験の再開に備えるためとも思われるこのたびの臨界前核実験は、断じて容認できません。
世界の人々は、核戦争の防止と多国間の相互信頼に基づく真の平和を求めています。 貴国は、核兵器の保有と開発につながるあらゆる核実験を中止し、一日も早い包括的核実験禁止条約の発効を実現するとともに、核兵器の廃絶に向けて誠意をもって努力されるよう強く求めます。
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