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右から母(緑)、茅乃、兄(誠一)、父(永井隆博士) |
茅乃さんは、1941(昭和16)年8月18日、長崎市上野町に誕生しました。
家族は、お父さん、お母さん、10歳になる兄の誠一さん、おばあさんの5人家族でした。お父さんの永井隆博士は、長崎医科大学(現在の長崎大学医学部)の物理的療法科(現在のレントゲン科)の医師で、のちに、長崎に原子爆弾が落とされたときの様子を世界に広く伝えた「長崎の鐘」など、たくさんの本を書いた人です。博士は、長年のレントゲン検査などで、たくさんの放射線を浴び、白血病になり「あと3年しか生きられない」と診断されていました。お母さんの緑さんは、むかしから続いた、熱心なカトリック信者の家の人で、とても働き者で、とくに裁縫が得意でした。この仲の良い家族は、8月9日の原子爆弾の投下で、生活が一変してしまいました。 |